オールドタイム・フィドル入門といった内容の本です。 同じ著者がクロハマー・バンジョーの本を出していて、それとペアで使うと良いでしょう。 アレンジはシンプルなのですが、凝ったアレンジをされたものよりも、曲を知り、 自分の演奏の出発点になり易いと思います。 楽譜は標準記譜法です。

オールドタイム・フィドル入門のタイトルのとおりの内容です。 記譜は、タブ譜と標準記譜法の二段組になっています。 タブ譜は独特で、数字は、（仮想の）フレットポジションを表すのではなく、 左手の指位置を表します。 曲はそこそこアレンジされているので、そのまま、弾いても楽しめます。

この本は、大変な力作です。 著者は、クラシックのバイオリン奏者でありながら、フィドラーです。 現地のプレーヤーの中に入り、自身が演奏しながら、記録を楽譜の形でまとめたものが、 この本です。譜面からは、採取した曲の息吹を感じることができます。 変則チューニングも忠実に取り入れられているのも興味深いところです。

記譜は当然、標準記譜法です。 クラシック流に変則チューニングを記譜する場合には、実音でなく、 その指使いで、標準チューニングで弾いたときの音が記されます。 このため、大変に判りにくくなるので、実音譜も同時に掲載されています。

オールドタイム・フィドラーを数人取り上げ、プレーヤーごとに数曲づつ、譜面を掲載しています。 それぞれプレーヤの紹介と、曲の説明が丁寧に書かれています。 スタイルの分析というほど、細かくは書かれていません。 記譜法は標準記譜法で、フィドルの譜面のみです。

「フィドル・コンテストで優勝するには」といった風に書かれている、 一風変わった本です。 「コンテストへの出場の仕方、選曲は、」うんぬん、結構、面白いです。 各曲は数コーラスにわたって納められており、しかも、「コンテストで演奏されるような」 実践的なアレンジです。 これを読んで、ヴァリエーションの作り方を学ぶのも良し、そのまま演奏して悦に浸るのも良し。 その意味では、お買い得な本です。

記譜は標準記譜法で、フィドルのパートのみ。一部にギターコードが振られています。 結構、モダンなアレンジだという印象を持ちました。

ブルーグラス・フィドルの教則本です。 本の厚さが薄い（64頁）中に、無理矢理、ブルーグラス・フィドルのサンプルを詰め込んだという印象です。 スタイルや、テクニックの解説と、曲からの抜粋で構成されています。 本の最初の方ではフィドルチューンを取り上げて、入門用としていますが、 初めての人にはこれでは不十分でしょう。 一応、弾けてますという人を対象に書かれていると思います。

標準記譜法で、フィドルのパートのみが納められています。

ブルーグラス・フィドル入門用の教則本です。 前半は、フィドルチューン。 後半は、ブルーグラス曲で、ソロとバックアップの両方の譜面が掲載されています。 アレンジ自体は実践的だと思います。このまま弾いても結構楽しいはずです。

「入門用」のはずなのですが、たぶん、弾ける人でないと結構つらいのではないでしょうか？ もっと、丁寧な内容が要求されると思っています。 クラシックのメソッドを併用するか、はたまた、根性で克服するか、そういうところに落ち着くのでしょうか。

フィドルの教則本です。 前半がフィドルチューン。後半がブルーグラス。 楽譜は標準記譜法で、フィドルのパートだけですが、ギター・コードが振ってあります。 読みやすい楽譜で、説明も丁寧です。 アレンジも、シンプルなものから、実用的なものまで、きちんと揃えてあります。

同じ著者の、前項で紹介した「Delux ...」の続編に当たります。 上級編ということで、キーの異なるもの、変則チューニングものもなどが納められています。 そして、各曲のアレンジが実用的なアレンジになっています。 「Listen to the Mockingbird」とか、「Orange Blossom Special」とか、そのまま、 レコードで聴けるようなアレンジです（というより、聞いたことがある）。 ここまで、書き込んであると、アレンジの癖などが気になりますが、 私の印象ではお行儀の良いアレンジといった印象でした。

記譜は、フィドルパートだけの標準記譜法で、ギターのコードが振ってあります。 とても見易い楽譜です。

プリ・ブルーグラスの時代から、年代を追って、いわゆる名プレーヤーを取り上げ、 簡単な解説と、代表的な曲のソロパート（多くの場合は１コーラス）を譜面にして納めてあります。 ブルーグラス・フィドルの歴史風に楽しむこともできます。 記譜はフィドルパートだけの標準記譜法で、ギターのコードが振ってあります。

ブルーグラス・フィドルのフレーズ集です。 この本は一連のシリーズもので各楽器に対して同じような本が出ています。 そのまま使っても良し、自分のスタイルの材料に使って変形しても良しです。 ある程度、自分のスタイルを築いた方は、この本をパラパラとめくるだけでも、 結構、触発されることが多いと思います。 記譜法は、標準記譜法でフィドル単独のものです。 シチュエーションで分類されているので、使い方もそう難しくありません。

オールドタイム、ケルト、ブルーグラスをカバーする大量の曲が納められています。 ブルーグラスに関しては、版権の関係でしょうが、それほど分量がないのが残念です。 しかし、その代わり、オールドタイム、ケルト関係。 つまり、フィドルチューンの量は大変なものです。 それぞれ、ほぼ、１コーラスづつですし、それほど、実用的なアレンジでもないのですが、 きちんと整理されていて、参照レコードも書き添えてあり、この手の音楽を演奏するならば、 手元に持っておくと便利な本です。 記譜法は標準記譜法で、フィドルパートのみ、ギターコードつき。

全面これ、ケニー・ベーカーという本です。 ケニー・ベーカーの楽曲が、かなり、長い単位で収められています。 記譜法は標準記譜法で、フィドルパートのみ、ギターコードがついています。

この本は楽器屋さんで購入したものです。 まるごと、レコードコピーの本です。 記譜法は、標準記譜法とタブ譜の二段組み、コードつきです。 権利関係に疑問があります。 ということで、死蔵状態です。

この本も、前項の本と同時に楽器屋さんで購入しました。 まるごと、レコードコピーの本です。

一冊まるごと、ヴァッサー・クレメンツという本です。 長い演奏暦をたどって、広範囲に曲が取り上げられています。 記譜は標準記譜法で、フィドルパートのみ、コードつきです。

この本は日本語版です。 このアーティスト別分析シリーズは、かつては、日本語版が出版されていました。

タイトルどおり、ウェスタン・スウィングのフィドルのソロを時代に合わせて、 広範囲に集めたものです。 私は、ウェスタン・スウィング自体、あまり、聞かないので内容について述べにくいのですが、 こうして譜づらを見る限りでは、結構、ブルーグラスと似ています。 というよりも、ブルーグラスのフィドルの一部は、こういった音楽がもろに入っていたんでしょうね。

アメリカではなく、ブリテン諸島（イギリスとアイルランド）のフィドル曲を集めたものです。 イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの地域ごとに曲をまとめてあります。 アレンジはシンプルで、おそらく、原型のメロディのままではないでしょうか。 知らない曲が沢山入っていて、譜面をなぞりながら演奏するだけでも楽しい曲集です。 記譜は標準記譜法で、フィドルパートのみ、コードつきです。

タイトルどおり、アイリッシュのフィドル曲集です。 非常にそっけない本で、単に手書きの楽譜があるのみです。 アレンジはシンプル。テープとセット販売されていました。

スコットランドのフィドル曲集なのですが、面白いことに、 １９０３年に出版された本の復刻版にあたる本らしいです。 記譜法は標準記譜法、フィドルパートのみ。

バイオリンのおけいこの教材用として書かれた本のようです。 バイオリン譜と、ピアノ譜の二冊からなり、当然、標準記譜法で書かれています。 バイオリン譜は当然ながら、他のフィドル用の出版物と変わりません。 ということで、フィドル曲集としても利用できます。

ケイジャン音楽のフィドル曲を集めたものです。 ケイジャン音楽を良く知らないのですが、譜面を見た限りでは、 通常のフィドル音楽とそれほど極端な違いはないような気がします。 ケイジャンといえば、ダグ・カーショーとか、アリゲータ・マンとか、あの、 ひきづるようなフィドルが耳に残るのですが、 このへんは、ステロタイプな取り上げ方のせいで、 実際のケイジャン音楽は、もっと、いろいろなタイプがあるのだと思います。 この本を見ているとそんな気がします。

珍しいブルーズ・フィドルの本です。 ここには、いろいろなプレーヤーが取り上げられていますが、 私が覚えているプレーヤーは、 Lonnie Johnson, "Gatemouth" Brown, Papa John Creach ぐらいで（Stuff Smithは、ジャズ？）、あまり良くわかりません。 記譜法は標準記譜法で、フィドルのみ。コードつき。

譜面で見る限りは、結構、普通でした。 本当に、普通にブルーズラインをフィドルで弾いています。 フィドルで弾くと雰囲気がぜんぜん違うのだから、そんなものかも知れません。

ジャン・リュック・ポンティの曲集です。 普通のポピュラー音楽の楽譜です。 総譜になっていて、バイオリン、ギター、ピアノ、（シンセ、）ベース、ドラム。 各曲は、部分ではなく、丸ごと納められています。

ジャズの管楽器などの練習用のスケールブックがありますが、それに相当する内容です （元になっているのはサックス用の本だそうです。 各コード毎にスケールと、コードベースのフレーズが掲載され、最後のほうには、 コード進行に沿った練習曲があります。

ジャズのスタンダードをバイオリンで弾こうという本で、 構成はそっけなく、曲が並んでいるだけです。 譜面はバイオリン譜にコードがついたのみで、伴奏譜はありません。

気合の入った、ジャズバイオリンの教則本です。 ある程度弾ける人を対象に書いてあるのでしょうが、 順を追って、技術、知識に触れていき、だんだん、うまくなっていく、 そういう構成をとっています。 練習曲も豊富で、譜面も見やすく、判りやすいと思います。 ただ、フィドラー向けの本のような印象があるのです。 練習曲を見るとフィドルの練習曲のようだったり、弓使いがフィドルっぽかったり、、、 音楽の説明は普通の音楽なのに、変な違和感があります。 だから、フィドルのチュートリアルとしてみると、結構、面白いという印象もあります。

グラッペリを中心にして、やや古いプレーヤーの演奏を採譜して掲載しています。 各プレーヤーのスタイルの比較など、興味深い内容もありますが、中心はやはり譜面です。 各曲の譜面は割合に長い採譜がされているので、これをみながら、弾いてみるのも楽しいでしょう。