J.E.Mainer's Mountaineersは、その後のブルーグラスに直接つながるバンドの音を持っています。バンジョーのスタイルこそブルーグラス・スタイルではないのですが、 そのまま、ビート感とか、ハモリ方とか、そのまま、ブルーグラスとして聞いてもかまわないような、 スムーズな演奏です。たとえば、Stanley Bros.ならば、Bill Monroeよりも、Mainer'sに近いのではないでしょうか。
Wade Mainerのバンジョーはソロを取らずに、おそらく、インデックス・リードのダブルサミング奏法で、軽快にリズミックなバックグランドを作っています。
Mainer'sは、奇妙なバンドで、雑多なメンバーがMainer'sの名義の元に、様々な形態で録音をしています。さらに、それぞれが、派生して別のバンドであったり、わけのわからない状態です。
オリジナルメンバーは、J.E. Mainer(fiddle),Wade Mainer(banjo),Dady John Love(Guitar), Zeke Morris(Guitar)です。他に、Leonard Stokes(mandolin),George Morris(Guitar), Homer Sherrill(fiddle)など。Clyde Moodyは、Wade Mainerのバンドの方に加わっていました。さらに、伝聞では、Bill Monroeがいたとか、Stanley Bros.がいたとか…
オリジナルのMountainerrsです。ＬＰで何枚か出ていたはずなのですが、残念ながら日本版の一枚しか持っていません。
「永遠の J.E.メイナーズ・マウンテニアズ」(RCA-5514)
全曲、お薦め。
Wade Mainer は、Mainer's 解散後、Sons Of The Mountaineers というバンドを組んで活動していました。手元にあるのは、３枚ですが、これも、全曲お薦め(J.E. Mainer'sの曲も含まれる)。
その後、Zeke Morris は、Willey Morris、Hommer Sherrillとグループを組んで演奏していました。残念ながら、その時代のレコードを持っていません。手元にあるのは、1972年の再結集録音版です。
Morris Bros.は、New Port Folk Fes.のライブ版で、「Salty Dog Blues」をやっています。メンバーの出入りが多いのは、Mainer's 直伝らしく、バンジョー奏者として、Snuffy Jenkins の 甥の Hoke Jenkins、Don Reno、Earl Scruggs の名前があがっていました。他に、Red Smiley,Red Rector。
Morris Bros.と別れた Hommer Sherrill は、 Byron Parker and The Mountaineers で、Snuffy Jenkins と演奏していたそうです。
Mountaineers 解散後、J.E.は、そのまま、ずーっと、ご近所バンドを組んで活動していたらしいです。Rulal Rhythm社から沢山アルバムが出ています。そのうち、２枚を手にしましたが、本当にご近所バンドしていて、楽しいけれど、それほどの、お薦め版ではありません。
これに反して、Arhoolie から出ている一枚はお薦めです。ブルーブラスのローカルバンドといった趣ですが、J.E.Jr.（息子さん)のボーカルが良いです。